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診断書ビジネスについて

  • 斎藤知之
  • 1月29日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月10日

診断書ビジネス

最近、心療内科、メンタルクリニック、こころのクリニックなどの診断書ビジネスが批判されており、国・行政も問題視しています。診断書ビジネスとは、医師が営利目的でいいかげんな診断書を作成することです。不正な診断書が不当な休職や保険金詐取に使われる場合もあるとか。そのため休職ビジネスとも呼ばれるそうです。


また、最近では退職代行サービスが社会の注目を集め、その違法性が指摘されていますが、こうした退職代行サービスがメンタルクリニックなどと提携して、診断書ビジネスを行っているという批判もあります(なお、特定のメンタルクリニックを受診すると割引券がもらえると宣伝しているところがありますが、このように経済的な利益を与えて患者を誘引する行為は法律で禁じられています)。


しかし、医師は診断書に事実ではないことを書くと、法的責任を問われることがあり、場合によっては刑事罰の可能性すらあります。医師が営利目的でいい加減な診断書を作るなんて社会的に許されません。当たり前ですが、まともな医師は診断書に事実ではないこと、虚偽なんかを記載したりしません。診断書ビジネスを行う医療機関では、メンタルヘルスの専門ではない医師が短時間の診察や簡単な症状のチェックシートだけで診断し、いいかげんな診断書を発行しているケースが多いそうです。


心療内科や精神科のクリニックに受診する人のほとんどは、精神的な症状をかかえて、困りに困って受診します。しかし、受診する人の中には、不正の目的があり、医師に自分の要望通りの診断書を記載するように要求したり、自分の思い通りに医師が診断書を書かないと、執拗にクレームをつけたり、SNSやクチコミで医師を誹謗中傷したりする人がいます。これらは最近ではカスタマー・ハラスメントと呼ばれる悪質な行為です。医師には、このような少数の人間の悪質な行為に屈せず、正しい姿勢をつらぬく倫理観が求められます。


残念ながら、世の中には倫理観の欠落した医師がいるのも事実です。そういう医師は少数だと思いますが、悪いことをしている人にはなんらかのペナルティが必要になるでしょう。今後、診断書ビジネスをやっているクリニックには、国が何らかの対策を打つと思います。2026年の診療報酬改定においても、メンタルヘルスの専門ではない医師の診察を抑制する方向で動くみたいです。


よりどころメンタルクリニック桜木町は、医療機関としての社会的責任を認識して、誠実な医療を心がけています。診断書には事実しか書きません。当院では、初診の段階でも診断書を発行することがありますし、休職に必要な診断書も記載しております。また、患者様のご要望に応じて書き方を工夫することもあります。診断書を必要としている患者様はたくさんいらっしゃいますし、あくまでも患者側の立場によりそうのが当院の基本姿勢です。しかし、だからといって間違った診断書を記載するわけではありませんし、虚偽の記載を求める方は丁重にお断りしています。医師の責任として、誠実な患者様によりそうことはあっても、カスタマー・ハラスメントを行う人によりそうことはありません。


もっとも、虚偽の診断書を求めたくなる事情がある方もいらっしゃるのでしょう。助けを求めて診断書ビジネスを利用する人もいるのかもしれません。しかし、自分がどんなにつらくても、悪いことをしていいわけではありません。日本には、反社会的な手段ではなく、社会通念にそって適切に助けを求める方法があります。当院ではまっとうな社会的支援に力を入れています。どうか、自分が困っている時でも、誠実さを忘れず、正しい方法で助けを求めてください。


みなさまのご理解の程よろしくお願いします。


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