休職しないための心の健康を守る方法
- 斎藤知之
- 1月31日
- 読了時間: 6分
更新日:2月15日
適応障害、睡眠障害、うつ病などのメンタルの不調でいつもどおり働けなくなることがあります。そんな時は休職も良い方法ですが、周りに迷惑をかけたくないとか、経済的な理由で休職できないなど、休職したくない人も多いです。ここでは休職しないでメンタルを整える方法を解説します。
目次
上司または管理部門と話し合う
専門家にアドバイスを求める
心の薬を利用する
普段から気をつけること
- リラックスする習慣
- 適切な睡眠習慣
- 体の健康に気をつける
- 手伝ってもらう習慣
- 人間関係を大切にする
上司または管理部門と話し合う
良く眠れないとか、仕事に行こうとすると体調が悪くなるなどの精神的・身体的な症状が出たら、今までどおりに働くのは難しくなります。
しかし、職場には安全配慮義務がありますから、労働者の心と体の健康が保てるよう配慮しなければいけません。労働者がメンタルの不調をかかえている場合、上司や管理部門の担当者(人事・総務・派遣元など)は、なんらかの対策をとる必要があります。
自分のメンタルが不調になったり精神症状が出たりしたら、それが治るまで休職するというのも一つの方法です。休職して自分の心の健康を取り戻すという手段は決して恥ずかしいものではありませんし、有効な手段の一つです。しかし、休職にはデメリットも多いため、休職することに抵抗がある人が多いと思います。その時は、休職以外の方法について上司や管理部門の担当者と話し合うことが大切です。たとえば、休職以外にも以下のような対応が可能です。
仕事量を減らす
ストレスの多いプロジェクトから外れる
苦手な業務を免除してもらう
時間外労働(残業や休日出勤)を制限する
時短勤務にする(1日あたり4-6時間の勤務など)
在宅勤務に変えて通勤の負担を減らす
休職せずとも、こうした対応により心の負担を減らすことができれば、メンタルの症状が良くなる可能性があります。
くりかえしになりますが、上司や管理部門には従業員のメンタルの問題に対応する義務(安全配慮義務)があるのですから、きつい時は遠慮せず相談してください。
専門家にアドバイスを求める
自分なりに工夫してみても症状が改善しないなら、専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。心の専門家、メンタルヘルスの専門家には、心療内科・精神科の医師、心理カウンセラーや臨床心理士などがいます。
臨床心理士と心理カウンセラーは同じ意味です。臨床心理士や心理カウンセラーは、相談者の悩みを聞いてくれたり、考え方を分析してくれたりします。ただし、医師以外が診断書を発行したり、投薬したりという医療行為をすることは法律で禁じられているためできません。
心療内科・精神科の医師は、話を聞くだけでなく、診断書を発行したり、薬を出したりなどの医療行為が可能です。なお、メンタルヘルスの専門家は心療内科という誤解が広まってしまいましたが、本当は精神科になります。
法律の後ろ盾を求める場合は、行政や弁護士への相談が必要です。残念ながら、上司や管理部門が何もしてくれない場合や、パワハラなどの労務上の問題を抱えている場合では、専門家に法的な見解を聞いてみることが大事な場合もあります。厚生省・労働局が主導の総合労働相談コーナーでは無料で相談を受け付けています。法的紛争になりそうな場合は弁護士に相談してください。なお、最近、退職代行業者が弁護士業務を行い問題になっています。非合法な退職代行サービスを利用しないように気をつけてください。
心の薬を利用する
心の薬(向精神薬)に抵抗をいだく人もいますが、実際はとても有効な手段です。一部の医師が医学的エビデンスやガイドラインを無視して多量に投薬したり、有効量以下の用量で使ったりするため問題になることがありますが、専門性をもつ医師の指示どおりに薬を使うなら安全かつ有効です。向精神薬は治験後に公認されるので、その有効性・安全性は科学的に確かめられています。また、医学的・科学的なエビデンスをもとにガイドラインが作られています。こうした知見をもとに薬を使うなら安全ですから、過度に心配する必要はありません。
なお、心の薬は薬局で購入できません。医師の処方箋が必要になりますので、医療機関への受診が必要になります。
普段から気をつけること
心の健康をたもつために普段から気をつけることも解説しておきます。
リラックスする習慣
毎日、家に帰ったらリラックスする時間をつくるよう心がけてください。これは普段から習慣として行っておく方が良いです。本を読む、音楽を聴く、瞑想する、家族と話す、テレビを見るなど、色々なリラックス方法があります。のんびりと過ごす時間は人間にとって必要です。可能な限り毎日リラックスする時間をつくりましょう。
適切な睡眠習慣
日々の睡眠は大事です。7-8時間の睡眠時間を確保する、規則正しく同じ時間に寝て起きるなどの習慣をつくることを心がけてください。たまに、よく寝たのに元気にならないとか、かえって体調が悪くなると言う人がいますが、人間の体とはそういうものです。睡眠不足が続いている人が一晩寝ただけで完全回復するというゲームみたいなことは起こりません。時々たくさん寝るのではなく、なるべく毎日よく寝るようにしてください。適切な睡眠習慣については、別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
体の健康に気をつける
体の健康と心の健康は密接につながっています。そのため、体の健康をそこなうと心も不安定になります。体に良い生活が何なのか知っている人は多いはずです。規則正しい生活リズム、適度な運動、バランスの良い食事などは体にも心にも良いです。また、過度な飲酒、睡眠不足などは体にも心にも悪いです。自分の体をいたわる習慣を身につけてください。
手伝ってもらう習慣
つらいときに誰にも助けを求めず、自分ひとりで解決しようとすると、精神的に追い込まれてしまいやすいです。しかし、普段から誰かに手伝ってもらったり、他人に助けを求める習慣が無いと、本当に困った時に他人を頼ることをためらってしまいます。普段やっていないことを急にやるのは難しいものです。日ごろから、人を頼り、ちょっとしたことを手伝ってもらう習慣を身につけましょう。
人間関係を大切にする
孤立すると精神状態は悪くなるのは統計的な事実です。人間関係は大事にしてください。むやみに他人を批判したり、厳しいことを言ったりしていないでしょうか。そういう態度では人は離れていきます。人にやさしくすることは、自分のためにも大切です。
こうした方法をもとに休職せず心の安定を取り戻す方法を考えることは大事です。ただし、休職して自分を守ることが必要な時もありますから、絶対に休職しないと頑固にならず、休職という選択肢をいつでも使えるように持っておくという考え方をおすすめします。休職した場合、復職までの方法については別の記事で紹介していますから、良ければご覧ください。



















