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休職しないための心の健康を守る方法

斎藤知之
7 日前
読了時間: 6分

更新日:2 日前

メンタルの不調(うつ病、適応障害など)でいつもどおりに働けなくなった時は休職も良い方法ですが、他にも方法はあります。まわりに迷惑をかけたくないとか、経済的な理由で休職できないなど、休職したくない人も多いと思います。ここでは休職以外の方法について詳しく解説します。


仕事のストレス

目次


両立支援の相談


心の健康がくずれたら、治るまで休職するというのも一つの方法です。休職して自分の心の健康を取り戻すという手段は決して恥ずかしいものではありませんし、有効な手段の一つです。しかし、休職はキャリア形成や金銭面でのデメリットも大きいため、休職したくない人も多いと思います。その時は、休職以外にも以下のように業務を制限する選択肢があります。


  • 仕事量を減らす

  • ストレスの多いプロジェクトから外れる

  • 苦手な業務を免除してもらう

  • 在宅勤務に変える

  • 時間外労働(残業や休日出勤)を制限する

  • 時短勤務にする(1日あたり4-6時間の勤務など)

  • 時差出勤、フレックスタイム制を利用する


令和8年度から、こうした業務制限や配慮を職場に求める仕組みができました。これは両立支援(治療と就業の両立支援)と呼ばれる国が決めた制度で、マニュアル化されています。まずは従業員からのアクションが必要ですが、①自分で両立支援カード(またはそれと同様の書式)を記載し、②職場の担当者、産業医などに提出し、③その後に通院先の医師にも同じ書類を提出するというものです。当院に通う患者様の中にも、両立支援を活用して、業務上の配慮をもらう方が増えています。両立支援の仕組みについては別の記事でさらに詳しく解説していますので、良ければご覧ください。



職場には安全配慮義務がありますから、労働者の心と体の健康が保てるよう配慮しなければいけません。労働者がうつ病や適応障害などのメンタルの不調をかかえている場合、上司や管理部門の担当者(人事・総務・派遣元など)は、なんらかの対策をとる必要があります。まずは上司や管理部門の方に、両立支援の制度について相談してみましょう。


※人事・労務の担当者は、厚生労働省による「治療と就業の両立支援指針」をご参照ください。


専門家にアドバイスを求める


自分なりに工夫してみても症状が改善しないなら、専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。心の専門家、メンタルヘルスの専門家には、心療内科・精神科の医師、心理カウンセラーや臨床心理士などがいます。


臨床心理士と心理カウンセラーは同じ意味です。臨床心理士や心理カウンセラーは、相談者の悩みを聞いてくれたり、考え方を分析してくれたりします。ただし、医師以外が診断書を発行したり、投薬したりという医療行為をすることは法律で禁じられているためできません。


心療内科・精神科の医師は、話を聞くだけでなく、診断書を発行したり、薬を出したりなどの医療行為が可能です。なお、メンタルヘルスの専門家は心療内科という誤解が広まってしまいましたが、本当は精神科になります。


法律の後ろ盾を求める場合は、行政や弁護士への相談が必要です。残念ながら、上司や管理部門が何もしてくれない場合や、ハラスメントなどの労務上の問題を抱えている場合では、専門家に法的な見解を聞いてみることが大事な場合もあります。厚生省・労働局が主導の総合労働相談コーナーでは無料で相談を受け付けています。法的紛争になりそうな場合は弁護士に相談してください。


心の薬で治療する


心の薬(向精神薬)に抵抗をいだく人もいますが、実際はとても有効な手段です。専門性をもつ医師の指示どおりに薬を使うなら安全かつ有効です。向精神薬は治験後に公認されるので、その有効性・安全性は科学的に確かめられています。また、医学的・科学的なエビデンスをもとにガイドラインが作られています。こうした知見をもとに薬を使うなら安全ですから、過度に心配する必要はありません。なお、心の薬は薬局で購入できません。医師の処方箋が必要になりますので、医療機関への受診が必要になります。


普段から気をつけること


心の健康をたもつために普段から気をつけることも解説しておきます。


リラックスする習慣


毎日、家に帰ったらリラックスする時間をつくるよう心がけてください。これは普段から習慣として行っておく方が良いです。本を読む、音楽を聴く、瞑想する、家族と話す、テレビを見るなど、色々なリラックス方法があります。のんびりと過ごす時間は人間にとって必要です。可能な限り毎日リラックスする時間をつくりましょう。


適切な睡眠習慣


日々の睡眠は大事です。7-8時間の睡眠時間を確保する、規則正しく同じ時間に寝て起きるなどの習慣をつくることを心がけてください。たまに、よく寝たのに元気にならないとか、かえって体調が悪くなると言う人がいますが、人間の体とはそういうものです。睡眠不足が続いている人が一晩寝ただけで完全回復するというゲームみたいなことは起こりません。時々たくさん寝るのではなく、なるべく毎日よく寝るようにしてください。適切な睡眠習慣については、別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。



体の健康に気をつける


体の健康と心の健康は密接につながっています。そのため、体の健康をそこなうと心も不安定になります。体に良い生活が何なのか知っている人は多いはずです。規則正しい生活リズム、適度な運動、バランスの良い食事などは体にも心にも良いです。また、過度な飲酒、睡眠不足などは体にも心にも悪いです。自分の体をいたわる習慣を身につけてください。


手伝ってもらう習慣


つらいときに誰にも助けを求めず、自分ひとりで解決しようとすると、精神的に追い込まれてしまいやすいです。しかし、普段から誰かに手伝ってもらったり、他人に助けを求める習慣が無いと、本当に困った時に他人を頼ることをためらってしまいます。普段やっていないことを急にやるのは難しいものです。日ごろから、人を頼り、ちょっとしたことを手伝ってもらう習慣を身につけましょう。


人間関係を大切にする


孤立すると精神状態は悪くなるのは統計的な事実です。人間関係は大事にしてください。むやみに他人を批判したり、厳しいことを言ったりしていないでしょうか。そういう態度では人は離れていきます。人にやさしくすることは、自分のためにも大切です。


こうした方法をもとに休職せず心の安定を取り戻す方法を考えることは大事です。ただし、休職して自分を守ることが必要な時もありますから、絶対に休職しないと頑固にならず、休職という選択肢をいつでも使えるように持っておくという考え方をおすすめします。休職した場合、復職までの方法については別の記事で紹介していますから、良ければご覧ください。



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