就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違い
- 斎藤知之
- 3 日前
- 読了時間: 6分
自分に合った働き方を探すために、就労移行支援や就労継続支援A型・B型の違いを理解して、上手に利用するためのステップを紹介します。

「働きたい」という気持ちはあるけれど、「今の精神状態で働き続けられるかな」「いきなり就職するのは不安だな」と悩んでいませんか?
そんなあなたの「働きたい」という思いをサポートしてくれるのが、「就労移行支援」と「就労継続支援(A型・B型)」という障害福祉サービスです。
この記事では、それぞれのサービスの違いや、あなたに合った選び方、そして「実際に利用するためにはどうすればいいの?」という役所での手続きの流れまで、分かりやすく解説します。
焦らず、まずはあなたに合ったペースと環境を知ることから始めてみましょう!
目次
1. 「就労移行支援」とは?就職を目指す場所
就労移行支援は、精神障害、発達障害、知的障害、身体障害などの障害がある方が「企業への就職を目指す」ために行く「学校のような場所」です。働くために必要なスキルを身につけ、就職活動を行い、さらに就職後も長く働き続けられるように定着サポートを受けられます。
目的:一般企業・特例子会社・障害者雇用枠での就職と、その後の定着
サポート内容:パソコンスキルやビジネスマナーの習得、自分の精神状態への理解、履歴書の添削、面接対策、職場実習など
利用期間:原則として最長2年間
給与・工賃:発生しません
就労移行支援は、「今はまだ自信がないけれど、しっかり準備をしてから企業で働きたい!」「障害者雇用を利用して無理なく仕事を続けたい」という人にぴったりのサービスです。場所によって、「精神障害が中心」「発達障害が中心」など、特徴が分かれていますので、自分に合った場所なのか事前に問い合わせてみましょう。
2. 「就労継続支援」とは?自分のペースで働く場所
就労継続支援は、障害があるため「一般企業で働くことが難しい方」が、サポートを受けながら自分のペースで働くことができる場所です。雇用契約の有無によって「A型」と「B型」の2種類に分かれます。
就労継続支援A型(雇用型):事業所と「雇用契約」を結んで働きます。
特徴:労働基準法が適用されるため、最低賃金以上の給料が保証されます。
対象者:一般企業での就労は現時点では難しいものの、雇用契約を結んで継続的に働く体力・スタミナがある方。
こんな方におすすめ:「サポートのある環境で、お給料をしっかりもらいながら働きたい」「ゆくゆくは一般就労へのステップアップを目指したい」という方。
就労継続支援B型(非雇用型):事業所と雇用契約は結ばず、軽作業などの就労訓練を行います。
特徴:雇用契約がないため最低賃金の保証はありませんが、作業の対価として「工賃」が支払われます。
対象者:精神状態や体調の波などにより、雇用契約を結んで働くことが今は難しい方。
こんな方におすすめ:「精神状態に波があるので、まずは週1〜2日、短時間から無理なく通いたい」「自分のペースで少しずつ外に出ることに慣れていきたい」という方。
3. ひと目でわかる!3つのサービス比較表
それぞれの違いをわかりやすく表にまとめました。
項目 | 就労移行支援 | 就労継続支援A | 就労継続支援B |
目的 | 就職に向けた準備 | サポート環境下での就労 | 自分のペースでの就労・居場所 |
雇用契約 | なし | あり | なし |
給与/工賃 | なし | 給与(最低賃金以上) | 工賃 |
利用期間 | 原則2年間 | 制限なし | 制限なし |
イメージ | 学校に通って学ぶ | アルバイトで働く | 自分のペースで作業する |
4. 実際に利用するには?役所での手続き5つのステップ
「このサービスを使ってみたい!」と思っても、いきなり事業所に行って明日から通えるわけではありません。利用するためには、お住まいの市区町村(役所)で「障害福祉サービス受給者証」を発行してもらう必要があります。
具体的な手続きの流れは以下の通りです。
ステップ1:相談する・情報を集める
就労系の施設については、お住まいの市区町村の「障害福祉窓口」や、地域の「相談支援事業所」に相談しましょう。通院先に「精神保健福祉士」がいる場合は、その方に相談することもできます。よりどころメンタルクリニック桜木町の精神保健福祉士は、多くの就労系施設と連携していて、それぞれの施設の特徴を説明したり紹介したりしています。
ステップ2:事業所の見学・体験に行く
役所や相談機関で紹介してもらった事業所や、自分でインターネットで見つけた事業所に、見学や体験利用に行きます。「スタッフの雰囲気は?」「通いやすい場所か?」「自分がやりたい作業か?」などを実際に見て確かめます。
ステップ3:役所へ「利用申請」をする
通いたい事業所が決まったら、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で利用の申請を行います。
※障害者手帳がなくても利用できる?
「障害者手帳を持っていないと利用できないのでは?」と思う方も多いですが、手帳がなくても、医師の診断書や自立支援医療受給者証などがあれば利用可能なケースがほとんどです。ただし、地域によってルールが異なるので窓口で確認してみましょう。
ステップ4:「サービス等利用計画」の作成
役所での申請後、「サービス等利用計画」という書類を作成して提出する必要があります。これは「あなたがどんな目標を持ち、どうやってサービスを利用していくか」を書いた計画書です。自分でも作成できますが、地域の「相談支援専門員」に無料で作成・サポートしてもらうのが一般的です。
ステップ5:「受給者証」の交付・事業所との契約
申請や調査が無事に通ると、自宅に「障害福祉サービス受給者証」が郵送されます。この受給者証を持って通いたい事業所へ行き、正式に利用契約を結ぶと、いよいよ通所スタートです。
※申請から受給者証の交付までは、約1ヶ月〜2ヶ月程度かかることが多いので、余裕を持って動き始めましょう。
5. 自分に合った事業所の選び方
最後に、迷ったときの考え方のヒントです。
自分のゴールから逆算する
「絶対に一般企業に就職したい!」→ 就労移行支援へ
「まずはサポートがある環境で、安定して長く働きたい」→ 就労継続支援へ
今の「精神状態・体調」に素直になる
週4〜5日通う体力があり、スキルアップに集中できる → 就労移行支援
一定の体力があり、働く責任(雇用契約)を持てる → 就労継続支援A型
体調に不安があり、まずは短時間や少ない日数から始めたい → 就労継続支援B型
まとめ
就労移行支援:就職を目指すための「学び・準備」の場。
就労継続支援A型:雇用契約を結び、お給料をもらいながら働く場。
就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、体調に合わせて無理なく働く場。
人と比べる必要はありません。大切なのは、「今の自分」に合った無理のないスタート地点を選ぶことです。まずは一人で抱え込まず、お近くの相談窓口や気になった事業所に問い合わせてみてくださいね。あなたの「働きたい」という一歩を応援しています!



















