top of page

心療内科・精神科の選び方

  • 斎藤知之
  • 3 日前
  • 読了時間: 6分
心療内科・精神科の選び方

地域によっては心療内科・精神科のクリニック(メンタルクリニック、こころのクリニックなど)はたくさんあります。そうなると、どこに行けばよいのか迷われる方も少なくないと思います。


医師の私がよく耳にする患者様の苦情は、「受診するたびに医師が変わる」「医師に怒鳴られた」「診断を教えてくれない」「薬の説明がない」などです。このようなクリニックに受診してしまったら、転院を考えて良いと思います。患者の権利として、医療機関は自由に選択できます。


みなさまのご参考になればと思い、心療内科・精神科のクリニックの選び方について解説します。私が患者として心療内科、精神科を選ぶならどうするかと考え、以下にポイントを並べてみました。これらは当院だけではなく、他の心療内科、精神科を選ぶときにも役に立つと思います。


なお、心の治療・メンタルヘルスの専門家は本来「精神科」で、心療内科はストレス性胃炎などの内科疾患が専門なのですが、世間では混同されているため併記しています。以下、「心療内科・精神科」=「心の治療・メンタルヘルスの専門家」とお考えください。


選ぶポイント


①主治医制(医師が固定)


心の治療では、医師と患者の関係性が大事す。この関係性は、治療同盟とも呼ばれ、あなたの治療結果を左右するほど大きなものです。ご存じのとおり、信頼関係を作るには時間がかかります。このため、毎回同じ医師が長期間にわたって診察する体制である主治医制(医師が固定)のクリニックに行くことが大事です。


最近はこの原則を無視して受診するたびに担当する医師が変わるクリニックがあります。これは大変問題のあるクリニックになりますので、このようなところには受診しないようにしてください。医師がコロコロ変わるクリニックについては別の記事でも取り上げて注意喚起しています。




②話し方・態度


残念ながら、高圧的であったり、失礼だったりする医師は少なくありません。心療内科・精神科の診察では、患者側は本音やプライベートな内容を話さなければなりません。しかし、医師が高圧的で失礼だと、とてもじゃないけど本音やプライベートなことを話せません。話し方が優しく丁寧な医師を選んだ方が良いです。


③説明がある


インフォームド・コンセントと言いますが、医療では、医師が診断や治療について説明し、医師と患者とが合意にいたってから治療するのが原則です。何も説明しないままに投薬したり、あなたが質問してもちゃんと答えてくれない医師は、インフォームド・コンセントの原則を無視しています。診察時間には限りがありますから、長時間の説明は難しいのが現実です。しかし、全く説明してくれない医師はおかしいので、このような医師に当たってしまった場合は転院を考えましょう。


④生活の視点


診察の中では、症状の確認も大事ですが、生活に問題がないかどうかを確認することも大事です。最近は簡単に休職をすすめる医師がいて問題になっていますが、休職するなら復職のことまで考えないと後で困りますよね。治療方針を考える上では、たとえば、お金の心配がある人には福祉のサポートを考えたり、仕事ができなくなってしまった人には復職プログラムや仕事のリハビリ施設(就労系施設など)の利用を考えたりすることも、大事な治療になります。このように、生活の視点を含めて治療することを包括ケアと呼び、最近は重視されてきています。生活状況を含めてサポートしてくれるクリニックが安心です。


⑤心療内科・精神科専門の医師


心療内科・精神科のクリニックで、内科や皮膚科などの医師が診療していることがあります。法律上は問題ないのですが、当然ながら、専門的な診断、治療を行うことはできません。こうしたクリニックに臨時で受診するなら良いかもしれませんが、長く通院する場合には、心療内科・精神科専門の医師に対応してもらった方が良いです。専門性を知るには、指定医(精神保健指定医)や専門医(精神科専門医)などの資格が頼りになります。ある程度の年齢になればほとんどの医師が指定医または専門医の資格を取得します。こうした資格の有無により専門の医師なのかどうかを判断することができます。


⑥診断書を断らない


医師法という法律があり、医師は正当な理由がなければ診断書の発行を断ってはいけないことになっています。しかし、時々、これを守らず、診断書を拒否する医師がいます。診断書には発行に日数がかかるものもありますから、ある程度の待ち時間は仕方ありません。しかし、診断書を書こうとすらしない場合、その医師は最低限の法律を守っていないわけですから、医師としての適格性を疑います。


ただし、近年は医師に事実とは言えない内容の記載を求める人もいて問題になることがあります。虚偽の事実を診断書に記載することには違法性がありますので、そのようなことはお控えくださいますようお願い致します。


⑦通院したい日に予約が取れる


心の病気、精神疾患を治療するには何ヶ月、場合によっては何年もの時間がかかります。長い間通院が必要になるのですから、通院の予約が取れるかどうかもクリニック選びのポイントになります。また、通院のスケジュールを考えるうえで、生活と通院の両立を考えることも必要です。たとえば、平日の昼間に働いている場合、仕事の終わりに受診の予約ができるかどうか、仕事が休みの日に予約を入れられるかどうかが大事になります。あなたが予約したい曜日や時間に予約が取れるのかを確認しましょう。


⑧通院しやすい距離


長く通院するには、アクセスも大事です。あまりに遠くのクリニックでは、何度も通院するのは大変です。近所でなくても、通院しやすい距離にあるクリニックを選ぶことが大事です。なお、最近はオンライン診療を組み合わせることで通院の負担を軽くする取り組みも増えてきています。これは便利ですから利用するのは良いのですが、オンライン診療だけで治療が完結するクリニックは危険ですので気をつけてください。たとえば、投薬した後は副作用のチェックのために通常の診察や血液検査の確認が必要であり、これはオンライン診療だけでは不可能です。また、精神的な薬(向精神薬)の場合、オンライン診療だけで処方してはいけませんが、これを守らないクリニックが社会問題になっています。オンライン診療は、あくまで通常の診察に組み合わせて行うことが原則になりますので注意してください。



以上が心療内科・精神科のクリニックを選ぶポイントになります。ご参考になれば幸いです。

最近の記事
bottom of page