心療内科チェーン店の闇
更新日:15 時間前
※ご不快に思う方もいるかもしれませんが重大な社会問題だと考えて啓発させていただきます。
近年、心療内科・精神科で東京や大阪などの都市部を中心に全国展開するチェーン店が増えており、ここ横浜市内にも続々と参入しています。しかし、多くの大手クリニックチェーンが、利益を最優先して不当な医療を提供しており、国が問題視しています。心が限界を迎えて助けを求めた場所で、さらに傷ついてしまうことのないよう、問題のクリニックチェーンが抱える構造的な問題点と、自分を守るための自衛策をお伝えします。
全国チェーン店の主な問題点は以下のとおりです。
専門の医師がいない。
初診が短時間。
次から医師が変わり情報共有が無い。

目次
初診でヤバいクリニックを見分ける方法
心療内科・精神科のクリニックチェーンの中にも良いクリニックはあるかもしれませんから、チェーン店だから問題だと決めつけるわけにはいきません。そこで、初回の診察の時に問題のあるクリニックを見分けるポイントをお伝えします。
診療明細書を見る:心療内科・精神科のクリニックチェーンの最大の問題は、専門ではない医師が働いていることです。これを見分けるために、「診療明細書」をチェックしてください。クリニックの会計では領収書だけでなく診療明細書を発行しますが、これで医師の専門性を見分けることができます。通常なら、この診療明細書に「通院精神療法」と書かれていて(通院精神療法が書かれていない場合は論外です)、通院精神療法の横にカッコ書きで「精神保健指定医」と記載されています。これは大事なポイントです。普通、心の病気の診療経験をもつ医師であれば、この精神保健指定医という公的な資格を持っています(小児医療や児童精神の医師の中には精神保健指定医を持たない医師もいるので例外とします)。もしも、会計時にもらう診療明細書に「精神保健指定医」と書かれていないなら、その医師は精神保健指定医ではないので、経験不足の可能性が高いです。なお、精神保健指定医に似た資格に専門医があります。もしも精神保健指定医がなくても専門医を持っているなら、経験のある医師だと分かります。専門医は診療明細書には書かれませんが、ホームページなどに書かれているので探してみましょう。
初診が15分程度と極端に短い:国の基準では初診は30分以上ですが、事務側が一律に初診を15-20分と不当に短く設定しているクリニックがあります。こうしたクリニックでは、事務員が診察を打ち切ったり、あらかじめ診療時間を短くするような通知を医師に配布していたりします。このように事務側が医師の診療に不当な介入を行うクリニックは大変に問題であり、これについては後で詳しく解説します。
次から医師が変わる:クリニックチェーンの中には、初診しか担当しない医師がいます。しかし、次の医師への情報の引継ぎがほとんどなく、大変な問題になります。初診が終わり、2回目の予約を取る時、「今回の医師は予約が取れません」とか「次から別の医師が担当します」と言われたら、転院を考えるサインです。初診と再診の医師が変わる問題についても後述します。
今後の治療方針を説明できない:初診の最後に「次からどのような治療になりますか」と医師に聞いてみましょう。初診しか担当しない医師は、次からどのような治療になるのか説明するわけにはいきません。次の医師に聞いてくださいとしか答えられないでしょう。また、専門の医師ではない場合も、診断や治療方針が分からないため説明できません。今後の治療方針を聞くのは、クリニックを見分けるポイントになります。
心療内科チェーン店の経営システム
問題となる心療内科・精神科のクリニックチェーンには、独特の経営のシステム、仕組みが存在します。こうした構造を知ると、問題となるクリニックを見分けるポイントがよく分かるはずです。
経営陣が診療に不当介入
心療内科・精神科のクリニックチェーンでは、経営陣側が医師の診療に不当に介入するところが多いです。
経営陣が診療に対するルールを一律に決め、事務長や事務員に通達し、事務員が医師の診療に口を出すという多段階構造を取ります。
たとえば、経営陣が医師の診察時間を一律に決め、何時間で何人以上を診察するよう指示した通知書を配布します。特に初診の時間を制限されると、診療の質は大きく下がります。初診は多くのことを聞かないといけないため時間がかかりますが、この時間は診断や治療方針を決めるのに重要です。本来なら、診察時間は経営陣が一律に決めて良いものではありません。
初診の時間は国(厚労省)でも基準を定めていて、原則30分以上になります。これにも関わらず、初診は15-20分などと設定しているクリニックチェーンがあります。このような短時間で初診を終えると評価不足になり、誤診に繋がりやすくなります。
経営陣が事務員を通して、通院日や診断書について医師に指示するクリニックチェーンもあります。普通、医師は患者の病状を評価し、病状が安定している場合は「次回は1ヶ月後の診察で大丈夫です」と言ったり、病状が重い場合は「3ヶ月間の休職による療養が必要」などと判断したりします。しかし、クリニックチェーンでは、事務員側が医師に「2週間しか処方できない」とか、「休職期間は1ヶ月と書くように」と指示するのです。この手法で診断書をやたらと発行して儲けるクリニックもあり、診断書ビジネスと批判されています。
さらに、事務員が不要な検査(血液検査や心理検査)の実施を医師に強引に勧めるクリニックや、医師が書くはずのカルテを事務員が堂々と患者の目の前で書いているクリニックもあります。
このようなクリニックチェーンでは、経営陣が事務員を使って医療方針に強く介入します。事務員側は、医療の専門家ではないので、自分たちが医師に不当なことを言っているとは気づきません。彼らは経営者の指示に従っているだけです。医師は契約社員や委任契約であることが多く、契約解除が怖いので、経営陣からの指示に逆らえません。
この仕組みにより、クリニックのスタッフ全員が経営陣の言うことに従います。しかし、患者の立場からすれば、経営側の判断で間違った医療を受けるのですから、たまったものではないですよね。
専門ではない医師を雇用
医師には専用の求人サイトがあります。医師が心療内科・精神科のクリニックチェーンの求人を見ると、すぐに問題に気づきます。
本来、良い診療をしたい心療内科・精神科のクリニックは、心の病気の専門的な資格を持った医師の求人を出すはずです。心の病気の専門的な資格には、精神保健指定医や精神科専門医などがあります。
しかし、大手クリニックチェーンの求人広告には、科目不問とか非指定医でも雇うなどと書かれ、心の病気の専門ではない医師を募集しています。
こうすれば、簡単に医師を雇えるので、経営に有利に働きます。患者側がそれに気づくと問題ですが、医師の求人は医師でなければ見れないのでバレません。
患者側がこれを見破るのは簡単ではありません。内科や皮膚科の医師が心療内科・精神科の大きなクリニックで働いていたら、患者側は「ここは大きなクリニックだし、きっと心の病気の専門の医師だろう」と誤解してしまうものです。
また、多くのクリニックチェーンは、スポット勤務と呼ばれる単発の非常勤の求人も出しています。経営陣は人手不足な日だけスポット勤務の医師を雇い、人件費に無駄が生じない仕組みを作っているのです。スポット勤務医は主に初診を担当します。この医師は、その日限りで、次から診察しないので、治療結果に責任を持ちません。これでは初診と再診で医師が変わることになり大きな問題が発生します。
初診と再診の医師が変わるシステム
精神科や心療内科において、初診は今後の治療方針を決定する最も重要な診察です。しかし、多くのクリニックチェーンでは、この重要な初診をスポット勤務(非常勤)の医師に担当させて、2回目以降は別の医師に診察させるシステムにしています。
しかも、初診の医師から再診の医師への引き継ぎはほとんどありません。初診を担当したスポット勤務医は、カルテを書く時間を十分に与えられないので、カルテに簡単なメモ程度の文章を残しておくだけで引き継ぎを済ませます。
このシステムでは、初診の医師は、次から自分が関わることができないため、今後の治療方針を決めることができません。再診を担当する別の医師は、患者のことをよく知らないまま治療することになるため、不適切な投薬や誤診に繋がります。
もしも医師が変わるのなら、引き継ぎの時間や情報共有のためのカンファレンスが必要です。普通の病院ではそうしています。しかし、営利主義の経営者は、こうした時間をコストと捉えて削減してしまうのです。
このように医師が勝手に変わるシステムは、経営者にとってはメリットがあるものの、患者側にとってはリスクしかありません。
なぜクリニックチェーンに行ってしまうのか
心療内科・精神科業界の人ならクリニックチェーンの問題を知っていますが、患者側がクリニックの中身を知ることは難しいです。そもそも医療業界とは、内部情報がバレにくい業界なのです。
クリニックチェーンの経営陣は、裏事情を隠して、自分たちを良いクリニックだと見せることで患者さんを集めます。
大手だから安心
心療内科・精神科のクリニックチェーンは、医師をたくさん集め、広く展開し、見栄えの良いホームページを作り、自分たちをブランドものに見せることで、良いクリニックだと思わせるノウハウを持っています。患者側としては「大手だから安心だろう」と思って受診してしまいます。
クリニックチェーンはクチコミが良い
心療内科・精神科のクリニックチェーンのクチコミには、良いコメントであふれています。なぜなら、クリニックチェーンはクチコミ業者を利用しているからです。クリニックのオープン当初から大量のクチコミが書かれるため、業界関係者はクチコミ業者だと気づきますが、患者側は気づきません。
何百という良いクチコミがあり、星がたくさんついているクリニックを見たら、ほとんどの人が良いクリニックだと誤解してしまいます。
心療内科・精神科のクリニックには、とても怒りっぽい人やクレーマーも来院します。他者に過剰な要求をつきつける人は、相手が要求に従うと、さらに要求していきます。心の病気の専門医は、こうした人がいることを学んでおり、過剰な要求に従わず、できないことはできないとはっきり伝えることが大事だと学んでいます。このため、要求を断られた患者さんたちが、Googleマップやクチコミサイトに誹謗中傷を書き込むことはよくあります。妄想にかられて誹謗中傷を書き込む人もいらっしゃいます。これは心療内科・精神科の性質として仕方ないことです。
心の病気の専門家であれば、心療内科・精神科のクリニックに良いクチコミが大量に投稿されているのは不自然だと分かりますが、知らない人は見抜けません。このため、クチコミ業者を利用するクリニックには多くの患者さんが集まるのです。
国家によるクリニックチェーン対策
国もこうした心療内科・精神科のクリニックチェーンを問題視しており、2026年に対策を講じました。医療の価格は診療報酬と呼ばれ国が決めていますが、2026年6月から、国は、精神保健指定医ではない医師の診察料(通院精神療法の価格)を大幅に下げました。心療内科・精神科のクリニックチェーンは専門ではない医師をたくさん雇っているため、この措置が打撃になります。国がこうした措置を取ったことを考えれば、クリニックチェーンは日本の医療を揺るがす問題だと国が認識していることが分かります。
まとめ
心療内科・精神科のクリニックチェーンは、国も関心を寄せ、対策を講じている社会問題です。私としては、一番の対策は、みなさんが知ることだと思っています。クリニックチェーンの経営陣は、患者側が自分たちの手口を知らないことを利用して、多くの患者さんを集めて利益を得ています。みなさんがこうした手口を知れば、クリニックチェーンの問題は解決に向かいます。自分を守るために、こうした情報を知っておいてください。



















