ハラスメントに苦しんでいる方へ
- 斎藤知之
- 2月10日
- 読了時間: 4分
更新日:2月12日

職場でパワハラやいじめを受けてつらい思いをしていないでしょうか。だまって耐えている人も少なくないと思います。
「自分が仕事ができないから、怒られても仕方ない」
「この業界では、これが普通なんだ」
「声を上げたところで、どうせ何も変わらない」
このように考えて、日々のハラスメントを受け入れてしまっている人もいらっしゃると思います。しかし、精神的につらい状況にずっといると、眠れなくなったり、体調が悪くなったりと、さまざまなストレスの反応があらわれます。あなた自身のこころとからだの健康を守るために、ハラスメントを解決しなければなりません。
幸いなことに、社会が変わり始めています。社会全体では、パワハラやいじめなどのハラスメントが減ってきているのです。
「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、「いじめ・嫌がらせ」の相談件数はまだ多いものの、前年度に比べて8.5%減りました。3年度連続しての減少です。「いじめ・嫌がらせ」はハラスメントに該当する項目だと考えられますから、これは職場におけるハラスメントの減少を意味しています。

それでは、なぜ今、社会からハラスメントが減り始めているのでしょうか。その背景を知ることは、あなたが自分を守るための「武器」になるはずです。ハラスメントが減ってきている社会的背景としては、以下のものが考えられます。
1. 「法律」が盾になっている
かつてはハラスメントが職場の人間関係の問題として片付けられていたのかもしれません。しかし、今は「法律違反」になる場合があります。労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が2020年に施行されてから、会社にはハラスメントを相談された際に適切に対応する義務が生じています。日本において、あなたという労働者は、法律という大きな盾に守られている存在なのです。もし会社がハラスメントを放置しているのであれば、それは会社自身が法律に違反していることになります。
2. 「証拠」が力を持つ時代になった
「言った言わない」で泣き寝入りする時代は終わりました。手元のスマートフォン一つで、録音も、メッセージの保存も可能です。それらの記録は、あなたが「正しさ」を証明するための強力な鍵になります。法的紛争になることを考えて、あらかじめハラスメントの証拠を残しておくと良いと思います。
3. パワハラ上司は「有能ではない」
今の社会において、怒鳴ったり、無視したり、過度な圧力をかけたりする指導法は、もはや「有能なリーダー」の証ではありません。このようなパワハラ上司は、「マネジメント能力が欠如した、時代遅れの人」でしかないのです。人口減少社会において、ハラスメントを放置する企業は、優秀な人材から見捨てられ、生き残ることができなくなってきています。
4. 逃げることは「負け」ではなく「手段」
「石の上にも三年」という言葉がありますが、こころやからだを壊してまで耐える価値のある仕事など、この世に一つもありません。今、労働市場では「心理的安全性(安心して働ける環境)」が重視されています。自分がいる会社がすべてではありません。一歩外に出れば、ハラスメントのない働き場所が見つかる時代です。今の会社でハラスメントが放置されているのであれば、転職についても考えてみてください。
5. ハラスメントの相談先は「たくさんある」
もし今、あなたがパワハラや嫌がらせを受けているのなら、自分一人でかかえこまず、さまざまな公的機関に相談してください。各都道府県の労働局や専門の相談窓口など、会社の外にもあなたを助ける仕組みはたくさん存在します。
また、精神的に不調を感じる場合は、心療内科・精神科のクリニックに受診してみてください。受診したら必ず治療しなければいけないというわけではなく、相談だけでも問題ありません。職場との話し合いで必要なら診断書をもらうこともできるはずです。
周囲の力を借りる、公の力を借りるなどの方法を重視して、一人でハラスメントに対応しないよう心がけてください。



















